GINkoubouKOJIMA’s diary

銀工房こじまの出来事

北の朱雀台湾へ 1/3 試作編

去る初夏。
東京王子ロータリークラブの理事越野様よりのご依頼で
台湾のロータリークラブへの記念品をとご依頼を頂きました。

私が、北区伝統工芸保存会に属しておりますので

何か。北区の職人さんで製作したものを記念品にできなか?ということでした。

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しばらく考えましたが、期日までにということもございましたので、

当方の銀細工でのご提案をさせていただきました。

色々と、日本的なものがいいのか?台湾的にもご理解いただけるものは?と考えました。

アジア圏では〝鳳凰〟は、共通的に神々しいものなのではないか?
また、古典風水的にも、北は、朱雀ともいい、東京都北区の意味も乗せて
力強く飛び立つ鳳凰をモチーフに選びました。

特注品ですし期日のこともあり、鋳物や金型での製作というのも時間も費用もかかりますので手作りでのお造りが可能で、あくまでモダンでシンプルで現代的な造形。

記念品としてであればやはり置きモノでと考えました。

 

まず、厚紙での試作を行いました。

ペーパーモデルは木工用ボンドで接着が可能ですが、

実際の銀製品では、鑞付けです。となると、早鑞、遅鑞、銀半田と

温度差を使っての回数(溶接)が限られてきます。

それらを考慮しながら試作しなければなりません。
特に、長い尾の付け根を如何にコンパクトかつ目立たなくまた広がるように尾のパーツを付けられる構造は矛盾がありましたが、克服しました。

かなり小さいパーツの中に、卓越した技術が必要でした。が、二代目の技術で可能にしました。
また、航空機で運ぶ際も、破損しないことなども考え抜き(梱包方法)ました。

 

こうした試作を行い、ケースの選択も行い、大きさなども考慮しながら、

鳳凰であり、朱雀であり、火の鳥であり東京都北区から台湾へ30周年を寿ぐ真心を

運ぶ存在としての造形をこころがけました。

目に見えないものを具現化するわけです。

 

鳳凰を支える台も幸運が八方に満るように八角形にしました。

試作段階で、越野様からのOK が出ました。

さあ、時間もないなかではありますが本製作に入りました。

 

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